
ソーサリアンは、1987年に日本ファルコムから発売されたアクションRPGです。本作の最大の特徴は、「ソーサリアンシステム」と呼ばれる独自のゲームシステムにあります。このシステムは、キャラクターメイキング、各シナリオの攻略、魔法の製造など、多岐にわたる要素を含んでいます。
プレイヤーは最初に、戦士、魔法使い、ドワーフ、エルフの4種類のクラスから自分のキャラクターを作成します。各クラスには男女があり、初期能力値に差異があります。キャラクターには7種類の能力値(STR、PRT、VIT、KRM、INT、MGR、DEX)があり、これらを自由に設定できます。
また、本作では年齢の概念があり、キャラクターは時間の経過とともに老いていきます。これは、ゲームに現実味を持たせる要素として機能しています。
ソーサリアンの特徴的な要素の一つが、職業システムです。本作では、キャラクターは冒険者であると同時に、冒険に出ていないときは別の職業を持つことができます。職業は全部で60種類あり、クラス、性別、年齢、能力値によって就ける職業に制限があります。
職業に就くと、1年が経過するごとに職業に応じて経験値・所持金が増加し、能力値が変化します。これにより、冒険に出ていない間もキャラクターを成長させることができるのです。
また、特定のクラスや性別、年齢、職業を持ったキャラクターがいなければプレイ・クリアできないシナリオも存在します。これにより、多様なキャラクター育成の楽しみが生まれています。
ソーサリアンは、複数のシナリオから構成されています。基本パッケージには15本のシナリオが含まれており、それぞれが独立したストーリーを持っています。さらに、追加シナリオも販売されており、ゲームの世界を拡張することができます。
各シナリオは横スクロールのアクションRPG形式で進行します。プレイヤーは敵と戦いながら、様々な仕掛けや謎を解いていきます。戦闘はリアルタイムで行われ、剣での攻撃や魔法の使用など、多彩なアクションが楽しめます。
シナリオの難易度は様々で、中には非常に難解な仕掛けを含むものもあります。これにより、プレイヤーの探索心と問題解決能力が試されることになります。
ソーサリアンの魔法システムも特徴的です。本作では、7種類の魔法の要素(火、水、風、土、光、闇、精霊)があり、これらを組み合わせて様々な魔法を作り出すことができます。
装備品にも魔法の要素を付加することができ、これにより装備の性能を向上させたり、特殊な効果を付与したりすることが可能です。この要素は、キャラクターのカスタマイズの幅を大きく広げています。
魔法の製造や装備品の強化は、ゲーム攻略の重要な要素となっており、プレイヤーの戦略性と創造性が問われます。
ソーサリアンは、当初PC-8801mkIISR向けに発売されましたが、その後様々な機種に移植されています。PC-9801、X1turbo、MSX2、メガドライブなど、多くのプラットフォームで楽しむことができました。
2022年には、メガドライブミニ2にも収録され、現代のゲーマーにも遊ぶ機会が提供されています。メガドライブ版は、オリジナル版とは異なる独自のシナリオを含んでおり、新鮮な体験を提供しています。
ソーサリアンの評価について、ゲームデザイナーの神谷英樹氏は2008年に、自身の作品に影響を与えた1つでお気に入りのゲームとして本作を挙げています。これは、本作が現代のゲーム開発者にも影響を与え続けていることを示しています。
以下のリンクでは、メガドライブミニ2に収録されたソーサリアンのレビューを読むことができます。
メガドライブミニ2タイトルレビュー「ソーサリアン」
ソーサリアンは、その自由度の高さと拡張性により、発売から30年以上経った今でも多くのファンを持つ作品です。キャラクター育成の深さ、多彩なシナリオ、独自の魔法システムなど、現代のRPGにも通じる要素を多く含んでいます。
一方で、現代のゲームと比較すると、UIの不便さや、一部のゲームシステムの複雑さなど、時代を感じさせる部分もあります。しかし、これらの「古さ」も含めて、ソーサリアンの魅力となっているのです。
ソーサリアンは、単なるゲームを超えて、プレイヤー自身が物語を紡ぎ出す「体験」を提供しています。自分で作り上げたキャラクターが成長し、様々な冒険を乗り越えていく過程は、他のゲームでは味わえない独特の満足感をもたらします。
現代のRPGファンにとっても、ゲーム史に残る名作として、一度は体験してみる価値のあるタイトルと言えるでしょう。ソーサリアンの世界に飛び込み、自分だけの冒険譚を作り上げてみてはいかがでしょうか。