
ソーサリアン オリジナル サウンドトラック vol.1は、日本ファルコムの名作RPG「ソーサリアン」の音楽を収録したCDです。このサウンドトラックの最大の特徴は、PC-88VA版の音源を使用していることです。PC-88VA版は、原作4機種の中で最も洗練された音質を誇り、6音のFM音源を活かした豊かなサウンドを楽しむことができます。
また、このCDは3枚組という大ボリュームで、「基本シナリオ」と「ユーティリティーVol.1」で流れた全ての楽曲を2ループで収録しています。これにより、ゲーム中では聴き逃してしまうような細かな音の変化や、曲の展開を十分に楽しむことができます。
このサウンドトラックには、ソーサリアンの世界観を彩る多彩な楽曲が収録されています。具体的には以下のような曲が含まれています:
特筆すべきは、「呪われたクィーンマリー号」のシナリオの楽曲です。このシナリオはPC-88VA版で大幅に強化されており、グラフィックの描き直しやキャラクターの追加、ストーリーの強化が行われています。そのため、この曲を聴くことで、他の機種では味わえない完全版シナリオの雰囲気を感じることができます。
ソーサリアンの音楽は、日本ファルコムのサウンドチームによって制作されました。中でも、古代祐三氏の作曲が多く含まれています。古代氏の特徴的なメロディと、PC-88VAの高音質な音源が相まって、印象的な楽曲が多数生み出されています。
音楽制作においては、ゲームの世界観や各シナリオの雰囲気を的確に表現することに重点が置かれました。例えば、「砂漠」や「暗き沼」といった特徴的な舞台を持つシナリオでは、その環境を感じさせるような音作りがなされています。
このサウンドトラックは、ゲーム音楽史の観点からも重要な位置を占めています。1980年代後半のPC用RPGの音楽として、当時の技術的制約の中で最大限の表現を追求した結果が収録されているからです。
特に、PC-88VA版の音源を使用していることは、歴史的に貴重な点です。PC-88VAは、当時としては高性能なFM音源を搭載していましたが、市場での普及率は低く、この音源で聴けるゲーム音楽は限られていました。そのため、このCDは当時のハイエンドPC音楽の貴重な記録としても価値があります。
このサウンドトラックの発売は、ソーサリアンファンコミュニティに大きな影響を与えました。発売から長い年月が経った今でも、オークションサイトなどで高値で取引されていることからも、その人気の高さがうかがえます。
ファンの間では、このCDを聴きながらゲームのシーンを思い出したり、曲にまつわる思い出を語り合ったりする文化が根付いています。また、このサウンドトラックをきっかけに、ソーサリアンの音楽を演奏する同人音楽サークルが誕生したり、リミックス作品が作られたりするなど、二次創作活動も活発に行われています。
このように、ソーサリアン オリジナル サウンドトラック vol.1は、単なるゲーム音楽CDを超えて、ファンコミュニティの結束を強める重要な役割を果たしているのです。
ソーサリアンの音楽に関する詳細な情報は、以下のサイトで確認できます。
以上のように、ソーサリアン オリジナル サウンドトラック vol.1は、高品質な音源、豊富な収録曲、歴史的価値、そしてファンコミュニティへの影響力など、多面的な魅力を持つ作品であることがわかります。RPGファンやゲーム音楽愛好家にとって、今なお色褪せることのない名盤と言えるでしょう。