

ゲームをプレイしていて「なぜクリアできないのか」「どこで躓いているのか」と感じたことはありませんか。また、ゲーム開発に携わる方なら、バグの原因特定や仕様の問題点を明確にする必要に迫られることも多いでしょう。こうした場面で役立つのが「原因究明フレームワーク」なんです。
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原因究明フレームワークとは、問題の根本的な原因を特定し、効果的な解決策を導くための手法です。ビジネスシーンでよく使われる手法ですが、実はゲームの世界でも非常に有効なんですよ。ロジックツリー分析やなぜなぜ分析などの代表的なフレームワークを使うことで、問題解決のプロセスを順序立てて進められるようになります。
参考)ゲーム内外アクションの手段目的+原因結果関係に着目したEMC…
この記事では、ゲーム好きな方に向けて、原因究明フレームワークの種類や活用法を詳しく解説していきます。ゲームプレイの上達からゲーム開発における品質向上まで、幅広く応用できる内容になっていますよ。
原因究明フレームワークの中でも特に使いやすいのが「ロジックツリー」です。ロジックツリーは、問題をツリー状に分解して視覚的に整理する手法で、事象の分析、問題の原因特定、目標設定、課題解決まで、さまざまなシーンで使用できる便利なフレームワークなんですよ。
参考)【図解】ロジックツリーとは?活用の注意点や種類を徹底解説!
ロジックツリーには主に3つの種類があります。まず「Whatツリー」は、要素構造を把握するためのもので、現状の構造を要素分解していきます。例えばゲームの構成要素を「キャラクター」「ステージ」「システム」といった形で分類していくイメージです。
参考)問題解決には「ロジックツリー」を使おう!具体例とともに解説
次に「Whyツリー」は、原因を掘り下げるためのロジックツリーです。1つの課題から「なぜ起きたのか?」という原因を列挙し、さらに1つ1つの原因について「なぜ起きたのか?」を繰り返して分析していきます。これを掘り下げていくことで、根本原因をつかむことができるんです。
参考)ロジックツリーとは?メリット・作り方・ツールを紹介
そして「Howツリー」は、解決策を掘り下げるためのフレームワークです。問題に対して「どうすれば解決できるか」を具体的なアクションレベルまで落とし込んでいきます。ゲーム開発においては、バグ修正の具体的な手順を明確化する際などに活用できますよ。
参考)問題解決へ導くフレームワークのロジックツリーを解説! - 働…
ロジックツリーを作る際は、MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive:モレなくダブりなく)の原則を意識することが重要です。バグの原因調査を探索問題と捉え、調査の過程をツリー状にメモを書き出していくことで、自然とMECEを意識するようになります。最初から全部を書き出す必要はありませんが、プログラム、データ、環境、構成のように原因の大分類だけでも洗い出しておくと、思い込みの防止につながるんですよ。
参考)バグの原因を効率的に特定する方法 #Swift - Qiit…
問題解決には「ロジックツリー」を使おう!具体例とともに解説 | NEXT SFA
ロジックツリーの基本的な作り方と具体例が詳しく紹介されています。問題解決のための実践的な手法を学べる参考リンクです。
ゲーム開発の現場では、バグや不具合の原因究明が日常的に行われています。効率よくバグの多そうな所を重点的にデバッグすることが大切で、特にあらゆる境目にバグが多いため、境界値分析で潰していくことが有効なんです。
参考)ゲーム開発者が知っておくと良い最低限のデバッグ知識|だらねこ
ゲームデバッグには代表的な手法がいくつかあります。「探索的テスト」は、仕様にとらわれず、デバッガーの直感や経験をもとに自由な操作を行い、意図しない挙動や不自然な動作を発見する手法です。思いもよらない使い方で不具合が見つかることも多く、特にユーザー目線での検証に適しているんですよ。
参考)ゲームデバッグとは?基礎知識・手法・課題とその解決策を徹底解…
「シナリオテスト」は、ユーザーのプレイ体験を想定したシナリオに沿って検証する方法です。例えば「チュートリアルからゲームクリアまでを通してテストする」といったように、一連の流れの中で発生するバグを発見するのに有効なんです。
また「回帰テスト」は、過去に発見されたバグが再発していないか、または修正によって他の箇所に悪影響が出ていないかを検証します。アップデートや修正のたびに実施され、品質維持に欠かせない工程となっています。
バグの原因調査では、調査の手順を「1.バグの再現⇒2.発生するコードの特定⇒3.原因調査」の順に進めることが基本です。バグ調査を原因をMECEに分類した探索木と捉えることで、体系的な分析が可能になります。
最近の研究では、LSTM(Long Short-Term Memory)ネットワークを使ってゲーム内のバグを異常として検出する新しいフレームワークも紹介されています。検出されたバグフレームをクラスタリングして、発生したバグのカテゴリを判定する手法で、FPSゲームでの有効性が確認されているんですよ。
参考)Redirecting...
ゲームデバッグとは?基礎知識・手法・課題とその解決策を徹底解説 | インパクトミライ
ゲームデバッグの基礎知識から実践的な手法まで、高品質なゲーム開発に必要な情報が網羅されています。
PDCAサイクルは、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)という一連の流れを繰り返すことで、目標達成に近づくフレームワークです。このPDCAをゲーム配信やプレイに取り入れることで、むやみに配信やプレイをするのではなく、データに基づいた効率的な成長戦略を立てることができるんですよ。
参考)フォロワー激増!TikTok LIVEゲーム配信企画を成功に…
ゲーム配信を成功させる秘訣として、まず具体的な目標を立てて配信を計画することが挙げられます。明確なゴールを設定することで、日々の配信に目的意識が生まれ、より効率的な活動が可能になります。次に、常にデータを確認し、配信を評価することが重要です。感覚だけでなく、視聴者数や視聴時間といった具体的な数字をチェックすることで、自分の配信の強みと弱みが見えてきます。
そして評価を基に継続的に改善することで、うまくいった点はさらに伸ばし、課題が見つかった点は次の配信で修正していきます。このPDCAのサイクルを習慣化することで、配信は日々進化し続けるんです。
ビジネスゲームの分野では、PDCAサイクルを学ぶためのゲームも開発されています。例えば「G-PDCA@ペーパータワー」では、合計3回のゲームを通じて、目標設定スキルと改善PDCAの要素を体験できます。1回目の作戦タイムで目標設定を行い、2回目では1回目のゲームを振り返って改善・調整を行い、さらに細かく目標設定を行います。
参考)PDCAサイクルを学ぶのに有効なビジネスゲーム5選をご紹介 …
このようなフレームワークを活用することで、ゲームプレイの上達だけでなく、日常のあらゆる問題解決にも応用できる思考力が身につきますよ。
ゲーム開発の企画段階では、独自のフレームワークが活用されています。EMCE Frameworkは、ゲーム内外のアクションの手段目的(Ends and Means)だけでなく、ゲーム内外の原因結果(Cause and Effect)の関係にも着目した新しいフレームワークなんです。
従来のEMS Framework(手段目的構造に着目したフレームワーク)は、シンプルで分かりやすく、主にゲームアイデア発想法として学校や企業でのゲームデザイン教育に導入されてきました。実際にこの手法を使って、CEDECインタラクティブセッション招待作品などのユニークなゲームが生まれているんですよ。
しかし、シリアスゲームやゲーム外に目的を持ったゲームのアイデアを発想する場面では、あまり効果を発揮できないという弱点がありました。その問題を解消するために開発されたのがEMCE Frameworkです。
このフレームワークを使うことで、現実問題を解決するためのゲームアイデア発想が可能になります。手段目的関係と原因結果関係の違いとゲームデザインとの関係性を理解することで、より効果的なゲーム企画を立案できるようになるんです。
ゲームコンセプトを考える際にも、「どんなゲームだから、どう面白い」という形で表すことが重要です。例えば「弁護士となって証言の矛盾を突きつけるアドベンチャーゲームだから、嘘つきを論破して倒す快感が面白い」といった具合ですね。
参考)【ゲーム企画 BOOT CAMP!!】Part2 コンセプト…
ゲーム内外アクションの手段目的+原因結果関係に着目したEMCE Framework | CEDEC
EMCE Frameworkの詳細な解説と、現実問題解決のためのゲームアイデア発想ワークショップの事例が紹介されています。
ゲーミフィケーションとは、ゲームデザインの手法を活用して、ユーザーの行動を促進したり、課題解決に導いたりする手法です。この考え方は、マーケティングだけでなく、社会課題解決の分野でも活用されているんですよ。
参考)ゲーミフィケーションとは?—ゲームデザインの手法を活用した社…
くら寿司の「ビッくらポン」は、日本のゲーミフィケーション成功事例の代表として進化を続けています。基本的な仕組みは5皿で1回ガチャが回せるというシンプルなものですが、2023年には「ビッくらポン!プラス」を全国展開し、1皿につき10円の追加料金で3回に1回必ず景品が当たる仕組みを導入しました。
参考)ゲーミフィケーションとは?人を動かす心理とマーケティング活用…
具体的な成果として、顧客の行動変容が顕著に現れています。「5の倍数」で食べ終わる顧客が増加し、「あと1皿で回せる」心理効果により追加注文が促進されたんです。
セガエックスディーは、ゲーミフィケーションの手法を活用した事業を手掛けており、脱炭素社会実現に向けた取り組みとして、スマホアプリを活用した環境配慮型ライフスタイルへの行動変容を促す実証実験に参画しています。このアプリは箱庭ゲームの形を取っており、継続的・自発的な環境配慮のための行動を促すことを目的としているんですよ。
ゲーム内の「チェックイン」や「スタンプラリー」の機能では、実際にそのスポットに訪れてQRコードを読み込むことでゲーム内アイテムなどを獲得できる仕様となっており、ゲームを通じることで実際に行動に移すことへの心理的ハードルを下げ、環境アクションの習慣化を促す作りになっています。
問題解決フレームワークをゲームに応用することで、単なる娯楽を超えた学習ツールや社会課題解決の手段として活用できるんです。フレームワークに従って情報を整理することによって、問題を客観的かつ効率的に分析することができ、問題の本質を見抜くことができるようになりますよ。
参考)ロジカルシンキングを学べるゲーム・アプリ8選。ゲームで学ぶメ…
原因究明フレームワークは、ゲームプレイの上達からゲーム開発の品質向上、さらには社会課題解決まで、幅広い場面で活用できる強力なツールです。ロジックツリーやPDCAサイクルといった基本的なフレームワークを理解し、実践することで、問題解決能力を体系的に高めることができます。
ゲーム開発の現場では、バグの原因特定から企画立案まで、様々な場面でフレームワークが活用されています。探索的テストやシナリオテストといった具体的な手法を組み合わせることで、より効率的な問題解決が可能になるんです。
ゲーミフィケーションの事例が示すように、ゲームの力を活用することで、従来は難しかった行動変容や継続的な取り組みを実現できます。原因究明フレームワークとゲームの要素を組み合わせることで、楽しみながら問題解決力を高められるんですよ。