

トリダモノ氏は、ゲーム業界で高い評価を得ているイラストレーターです。2016年から2017年まで株式会社Cygamesに勤務していた経歴を持ち、現在はフリーランスとして活動しています。ゲーム好きを自称する同氏は、『ライザのアトリエ』シリーズのキャラクターデザイン、『Fate/Grand Order』の呼延灼、ホロライブの輪堂千速、レーシングミク2023など、多数のゲームやキャラクター関連プロジェクトを担当しています。
参考)https://x.com/toridamono
公式サイト「塊画屋」では、これまでの活動歴や作品ギャラリーを確認できます。

トリダモノオリジナル ミラ[Mira] 1/7スケール プラスチック製 塗装済み完成品フィギュア
『ライザのアトリエ〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜』でトリダモノ氏が手掛けた主人公ライザは、発表当初から大きな反響を呼びました。健康的でグラマラスな体型、特に太ももの描写が特徴的で、従来のアトリエシリーズにはない新鮮なデザインとして注目を集めたのです。細井プロデューサーとの詳細なインタビューによれば、ライザのキャラクターデザインは「田舎の島で生まれ育った少女」という設定から、健康的で活発な印象を重視して作られました。
参考)https://www.4gamer.net/games/461/G046147/20190726026/
ライザ以外のキャラクターについても、タオは記号的で分かりやすいデザインとして早期に完成し、レントはゴツい体格の男性として描かれました。一方でクラウディアのようなお嬢様系キャラクターは、トリダモノ氏自身が「フリルやドレスが苦手」と語るほど難航したそうです。
参考)https://www.4gamer.net/games/520/G052046/20200831070/
『ライザのアトリエ2』では、3年後の成長したライザをデザインする際、前作の印象を保ちながら大人っぽさを加えることに注力しました。帽子や赤いパンツなど基本的なカラーは変えず、細かい部分を調整することで「ライザらしさ」を崩さないように配慮したとのことです。
参考)https://www.4gamer.net/games/654/G065485/20221214065/
4Gamerインタビュー記事では、ライザ誕生の裏話や初期デザインの変遷について詳しく語られています。
トリダモノ氏の作風は、肉感や立体感の巧みな表現が最大の特徴です。童顔にグラマラスな体系の美少女を得意とし、特に太ももの描写に定評があります。NOCOイラストレーターとの対談では、「量感がすごい」「まるでそこにキャラクターが本当にいるかのような存在感を作り出せる」と評価されています。
参考)https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%80%E3%83%A2%E3%83%8E
使用している色の幅の広さも特徴の一つで、多彩な色彩を駆使しながら全体のバランスを整える技術が高く評価されています。本人は「線画が苦手」と語っていますが、ライティングや光沢感の表現には強いこだわりを持っており、ゲーム中の3Dモデルと整合性を取るために細かく調整を行っています。
参考)KT model+ TOPICSページ トリダモノ氏×NOC…
フィギュア監修においても、イラストで描かれていない部分のデザインを新たに描き起こすなど、立体物としての完成度を高める作業に携わっています。PhotoshopCS6、CLIP STUDIO PAINT、SAIを主なツールとして使用し、メイキング資料や使用ブラシをpixivFANBOXで公開しています。
参考)塊画屋
KT model+対談記事では、トリダモノ氏とNOCO氏がお互いの作風について語り合っています。
『Fate/Grand Order』では、トリダモノ氏は呼延灼(こえんしゃく)というサーヴァントのキャラクターデザインを担当しています。呼延灼は水滸伝に登場する豪傑をモチーフにしたキャラクターで、通常版と水着版の両方をデザインしました。概念礼装「空を道とし」や英霊祝装も手掛けており、FGOプレイヤーの間でトリダモノ氏の独特な作風が注目されています。
参考)【FGO】『トリダモノ』氏のイラスト一覧 - ゲームウィズ
トリダモノ氏が得意とする肉感的な描写は、FGOのキャラクターにも活かされており、呼延灼の力強さと女性らしさを両立したデザインとなっています。最終再臨イラストでは、より詳細な装飾や衣装の変化が描き込まれ、立体感あふれる表現が堪能できます。
参考)【FGO】「トリダモノ」さんが担当するサーヴァント・礼装一覧…
GameWith記事では、トリダモノ氏が担当したFGO作品の一覧と最終再臨イラストが掲載されています。
トリダモノ氏は『RPGツクールMV』のパッケージイラスト、キャラクターデザイン、記念イラストなどを担当しています。2015年から継続して関わっており、ツクールシリーズのビジュアルイメージに大きく貢献しました。
カードゲーム分野でも幅広い実績があり、『WIXOSS』や『カードファイト!!ヴァンガード』『WonderlandWars』『拡散性ミリオンアーサー』『チェインクロニクル』など、多数のトレーディングカードゲームでイラスト制作を手掛けています。『グリムノーツ』『アカシックリコード』『ソウルオブクリスタル』などのモバイルゲームでもカードイラストやメインキャラクターデザインを担当しました。
カードイラストでは限られたスペースの中でキャラクターの魅力を最大限に引き出す必要があるため、記号的で分かりやすいデザインを好むトリダモノ氏の特性が活かされています。
pixiv百科事典では、トリダモノ氏の担当作品一覧が網羅的に掲載されています。
トリダモノ氏の影響力は、単なるイラストレーションの枠を超えています。『ライザのアトリエ』シリーズは2019年の発売から5周年を迎え、シリーズ初の主人公続投という異例の展開を実現しました。これはトリダモノ氏のデザインしたライザというキャラクターが持つ魅力と人気の高さを証明しています。
参考)【KT App】「ライザ」5周年記念!トリダモノ氏特別インタ…
ゲーム業界における「キャラクターの体型表現」という点でも、トリダモノ氏は新しい潮流を作り出しました。従来のアニメやゲームでは細身の体型が主流だった中、健康的でグラマラスな体型のキャラクターを主人公に据えることで、多様な美の基準を提示したのです。
参考)な、なんだその太ももは! 上から下まで全てが凄い、トリダモノ…
フィギュア業界でもトリダモノ氏のオリジナルキャラクターが次々と立体化されており、「圧倒的なまでのボン・キュッ・ボン」と表現される独特のプロポーションが人気を集めています。水着キャラクター「ミラ(Mira)」などのオリジナル作品も、ラグジュアリーな雰囲気と肉感的な表現が高く評価されました。
参考)水着×褐色×太もも!トリダモノ氏のオリキャラ「ミラ(Mira…
興味深いのは、トリダモノ氏自身が「イケメンを描くのが苦手」「お嬢様系が苦手」と公言している点です。自分の得意分野を明確に理解し、その強みを最大限に活かすスタイルが、現在の成功につながっているといえるでしょう。
コーエーテクモ公式サイトでは、ライザ5周年記念のトリダモノ氏特別インタビューが掲載されています。