

lanケーブルの「カテゴリ」は、対応できる最大通信速度と、伝送帯域(周波数)の目安で段階的に分かれています。サンワサプライの整理では、カテゴリ5は最大通信速度100Mbps・伝送帯域100MHz、カテゴリ6Aは最大通信速度10Gbps・伝送帯域500MHz、カテゴリ8は最大通信速度40Gbps・伝送帯域2000MHzとされています。
この表だけ見ると「数字が大きいほど速い」と理解できますが、重要なのは“機器側(ルーター/スイッチ/NIC)がその速度に対応しているか”と、“配線距離や環境ノイズで性能が出るか”です。規格上の上限はケーブル単体で決まっても、実効のリンク速度は機器と配線全体の条件で決まります。
また「伝送帯域(MHz)が2倍だから速度も2倍」という単純な比例にはなりません。伝送規格(変調方式など)によって、必要帯域と転送速度の関係は変わるため、「周波数が上がった=体感が直線的に上がる」と決め打ちするのは危険です。
参考)LANケーブルを高いカテゴリに替えると通信速度は上がるのか?…
実務としては、次の2点で判断がブレにくくなります。
上の整理はあくまで入口で、次の「見分け方」と「混在・ボトルネック」を押さえると失敗が減ります。
参考:カテゴリと速度・周波数の対応表(規格の前提を掴む)
サンワサプライ:LANケーブルのカテゴリ見分け方(カテゴリ別の最大通信速度・伝送帯域の表)
一番確実で早い見分け方は、ケーブル被覆に印字された「CAT.5e」「CAT.6A」などのカテゴリ名を読むことです。サンワサプライも、カテゴリ名の印字確認を見分け方として明示しています。
ただし現場では、カテゴリ名が見当たらない、または印字が擦れて読めないこともあります。その場合は、配線規格名(長い英数字)を手がかりにします。パンドウイットは例として、Cat5eなら「ANSI/TIA/EIA-568-B.2」、Cat6なら「ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1」、Cat7なら「ISO/IEC 11801」、Cat8なら「ANSI/TIA-568.C-2-1」のような印字から推定できると説明しています。
参考)LANケーブルCat5、Cat5e、Cat6、Cat6a、C…
「印字はあるけど紛らわしい」ケースも要注意です。パンドウイットは、まれにCat5とCat5eが同じく「CAT.5」と印字されている場合がある、と注意喚起しています。
こういう時に「見た目でCat6っぽい」などの雰囲気判断に寄せると事故りやすいので、次のように切り分けるのが堅実です。
参考:印字(カテゴリ名・配線規格名)で判定する具体例
パンドウイット:LANケーブルの見分け方(カテゴリ名/配線規格名の具体例)
印字で判定できない場合、「通信速度(リンク速度)」の確認で大まかな切り分けができます。パンドウイットは、通信速度だけでは細かいカテゴリまでは分からないが、Cat5かCat5e以上かの判断材料にはなるとしています。
同記事では目安として、Cat5の通信速度は100Mbps、Cat5eやCat6は1Gbps、Cat7は10Gbps、Cat8は40Gbpsと説明しています。
ここで言う「速度」は、インターネットのスピードテストの数値ではなく、PC—スイッチ間でネゴシエーションされたリンク速度(100Mbps/1Gbps/10Gbps…)を指すと捉えるのが安全です。
ただし、リンク速度で判断する際は「ケーブル以外の要因」で下がることがある点が落とし穴です。例えば、途中のスイッチが1GbEまで、壁内配線の一部が低カテゴリ、コネクタ加工不良、折れ・つぶれなどがあると、ケーブルが高カテゴリでも100Mbpsに落ちることがあります。
そのため、測定は次の順で行うと原因が見えやすいです。
「高いカテゴリに替えたのに速くならない」という相談の多くは、経路のどこかに低いカテゴリ(または弱い箇所)が混ざって上限が決まっているパターンです。パンドウイットも、ケーブルが混在していれば“性能の低い方のケーブルの性能しか発揮されない”と説明しています。
実際の配線は、PC—ケーブル—壁コンセント—壁内配線—パッチパネル—スイッチ—上位回線…のように複数要素で構成されます。ここで一箇所でも「100Mbps相当」になっていると、体感はそこで頭打ちになり、ケーブルだけを上げても変化が出にくいです。
ここは検索上位の“カテゴリ比較表”だけでは見落としがちな、運用・保守の視点です。次のように「混在ポイント」を棚卸しすると、買い替えが最小で済むことがあります。
ケーブル交換は安い対策に見えますが、闇雲に全交換するより、混在箇所の特定→局所交換の順が結果的に早いことが多いです。
独自視点として押さえたいのは、「カテゴリ名」だけでなく「配線規格名(ANSI/TIA…やISO/IEC…)」が現場の“翻訳キー”になる点です。カテゴリ表記が薄い/消えているケーブルでも、配線規格名が残っていることがあり、そこからCat5eやCat6、Cat7、Cat8の当たりを付けられます。
サンワサプライも、カテゴリと配線規格名の対応を表で示しており、カテゴリ7が「ISO/IEC 11801」、カテゴリ8が「ANSI/TIA-568.C-2-1」など、同様の読み替えが可能です。
参考)LANケーブルのカテゴリ見分け方|サンワサプライ株式会社
つまり「CAT.6Aが読めない」状況でも、配線規格名の断片が拾えれば、調達時に“同等以上”を買う判断に繋がります。
さらに、規格名を読めるようになると、社内の配線台帳や工事資料(ISO/IEC表記が多い/TIA表記が多い)と、家電量販店や通販のカテゴリ表記を相互に対応付けられます。
このスキルは、機器更改やフロア移転のタイミングで「どこまで再利用できるか」「何を交換すべきか」を短時間で判断するのに効きます。

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