

メソポタミア神話は、シュメール神話、バビロニア神話、アッシリア神話といった複数の神話体系の総称なんですよ。シュメール神話はその中で最も古い神話であり、紀元前3000年頃のシュメール人の都市国家時代に生まれました。
参考)https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%A1%E3%82%BD%E3%83%9D%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%82%A2%E7%A5%9E%E8%A9%B1
シュメール神話が最初に誕生し、後にメソポタミア地域を支配したバビロニアやアッシリアの人々がこの神話を受け継ぎ、自分たちの文化や神話体系に組み込んでいったんです。この過程で、首都となった都市の守護神の地位を上げる物語を追加したり、神々の系譜を書き換えたりしたため、時代によって神々の関係や性格に違いが生まれました。
参考)シュメール神話の神々と用語集│4cre8or.com
最大の違いは言語にあります。シュメール語とアッカド語(バビロニア語・アッシリア語)は別系統の言語であり、同じ神でも名前が大きく異なるケースが多いんですよ。例えば、愛と美の女神はシュメール語では「イナンナ」、アッカド語では「イシュタル」と呼ばれます。
詳しい神話の変遷については、こちらの専門サイトに詳細な解説があります。
シュメール神話では、神々は自然物や自然現象を司るとともに、主要都市を守護する「都市神」として機能していました。都市国家であったシュメールでは、都市神こそがその都市の真の王であるとされ、人間の王は神の僕という位置づけだったんです。
主要な神々には、天空の神「アン」、大気の神で実質的な最高神「エンリル」、知恵の神「エンキ」、月の神「ナンナ」、太陽の神「ウトゥ」、そして豊穣と戦争を司る女神「イナンナ」などがいます。冥界を統治するのは女神「エレシュキガル」で、イナンナの姉にあたります。
参考)https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%AD%E3%82%AC%E3%83%AB
世界観としては、世界は閉じたドーム状で、ドームの外には原初の海「ナンム」が広がり、地の下には淡水の海「アブズ」、その更に下には乾燥した冥界「クル」があると考えられていました。
バビロニア帝国が強大になると、バビロンの守護神マルドゥークを最高神とするバビロニア神話が成立しました。ただし、マルドゥークの地位はシュメールの神々の承認で成立したとされ、神話には多くのシュメール神話が取り入れられています。
バビロニア神話の天地創造神話「エヌマ・エリシュ」では、原初の海の女神ティアマトを若い神々の一人マルドゥークが倒し、その身体を二つに割いて天と地を作ったとされます。この物語は旧約聖書の創世記のモデルになったとも言われているんですよ。
参考)バビロニア神話 - Wikipedia
ゲーム「Fate/Grand Order(FGO)」のバビロニア章では、このメソポタミア神話が大きくフィーチャーされています。イシュタル(遠坂凛の姿)やエレシュキガルといった女神たちが登場し、古代ウルクを舞台に物語が展開するんです。
参考)FGOイシュタルhref="https://yumeusagiyukiusagi.hatenadiary.jp/entry/2023/03/26/105716" target="_blank">https://yumeusagiyukiusagi.hatenadiary.jp/entry/2023/03/26/105716amp;エレシュキガルからメソポタミア神話世界を考…
FGOにおけるイシュタルの詳細な設定は公式攻略サイトで確認できます。
メソポタミア神話は様々なゲーム作品で扱われていますが、作品によって描写が大きく異なります。FGOでは古代メソポタミア神話を出典とし、イシュタルを「愛と美、そして戦の女神」として描いています。彼女は神々にもっとも愛された女神とされ、強力なアーチャークラスのサーヴァントとして実装されているんですよ。
参考)【FGO】イシュタルのスキル・宝具と評価
真・女神転生シリーズやペルソナシリーズでも、メソポタミアの神々が悪魔として登場します。ティアマトやネルガルなど、原典の神話における役割を反映した形でゲーム内に実装されています。ネルガルは戦争や死、疫病を司る冥界の神として描かれ、エレシュキガルの夫という設定も踏襲されているんです。
参考)死神
都市建設シミュレーションゲーム「Nebuchadnezzar」では、古代メソポタミアを舞台に世界最古の文明であるシュメール人たちを率いて都市を発展させていきます。紀元前600年ごろのペルシャ人によるバビロン征服までを全12個のミッションで描き、歴史的建造物の建築など各時代にふさわしいタスクをこなしていくんですよ。
参考)古代メソポタミアが舞台の都市運営シミュレーション『Nebuc…
古代メソポタミアの都市運営シミュレーションについては、こちらのニュース記事で詳しく紹介されています。
古代メソポタミアが舞台の都市運営シミュレーション『Nebuchadnezzar』
ゲームでメソポタミアの神々に触れる際は、いくつかのポイントを押さえておくと理解が深まります。まず、同じ神でもシュメール名とアッカド名(バビロニア名)の両方が存在することを知っておくと良いですよ。
| シュメール名 | アッカド名 | 役割 |
|---|---|---|
| イナンナ | イシュタル | 愛と戦争の女神 |
| ウトゥ | シャマシュ | 太陽神 |
| エンキ | エア | 知恵の神 |
| ナンナ | シン | 月神 |
| ビルガメシュ | ギルガメシュ | 英雄王 |
FGOのバビロニア章をプレイした人なら、ギルガメッシュが実在したウルクの王であり、紀元前2700年頃の人物だったことを知っておくとより楽しめます。彼は「ギルガメシュ叙事詩」の主人公であり、世界最古の文学作品とされる物語の中心人物なんです。
参考)FGOに登場するギルガメッシュの原典『メソポタミア神話』とは…
また、メソポタミア神話は「今の世界における悪魔と呼ばれる存在が主役を務める神話」とも言われています。これは後のキリスト教文化圏において、異教の神々が悪魔として扱われるようになったためで、真・女神転生シリーズなどでメソポタミアの神々が悪魔として登場する背景にもなっているんですよ。
冥界の女王エレシュキガルは、アヌの娘でありながら冥界に閉じ込められ、他の神々から疎外されてしまった悲劇的な女神です。FGOではこの設定を活かし、人間に優しい面を持つキャラクターとして描かれています。
メソポタミア神話を扱ったゲームをプレイする際、これらの原典における設定や神々の関係性を知っておくと、ゲーム内での描写がより深く理解できるはずです。シュメール神話からバビロニア神話への変遷、神々の名前の変化、都市神としての役割など、複雑に絡み合った設定が、ゲームの世界観をより豊かにしているんですよ。
面白いほどよくわかるメソポタミア神話: スラスラ読めて一気にわかる神々の物語 ミスペディア神話シリーズ (神話が好きになるポケット文庫シリーズ)