フォームファクターと一連のチップで選ぶゲーム向けPC構成

フォームファクターと一連のチップで選ぶゲーム向けPC構成

ゲーミングPCのマザーボードやメモリを選ぶとき、フォームファクターやチップセット、メモリチップの構成が性能に直結するんです。最適なパーツ選びで快適なゲーム環境を実現できるのをご存じですか?

フォームファクターと一連のチップによるゲーム性能

 

ゲーミングPC構成の重要ポイント

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フォームファクターの選択

 

マザーボードのサイズ規格により拡張性と冷却性能が決まり、ゲーム体験に影響します

チップセットの影響

 

CPUとの接続を担うチップセットで、オーバークロックや拡張スロット数が変わります

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メモリチップ構成

 

一連のチップ配置(Single Rank)か複数構成(Dual Rank)かでゲームfpsが最大11%変動します

 

 

フォームファクターの種類とゲーム用途での選び方


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ゲーミングPCを組むとき、マザーボードのフォームファクター選びは拡張性と冷却性を左右する重要な決断になります。フォームファクターとは、マザーボードのサイズ規格を意味する用語で、現在主流となっているのはATX、MicroATX、Mini-ITXの3種類なんです。
参考)【2025年版】自作PC用マザーボードおすすめ5選と選び方を…

 

最も標準的なサイズはATXで、305mm×244mmの大きさがあり、一般的にパソコンショップで販売されているミドルタワー型パソコンで使用されています。ATX対応のPCケースは内部の作業スペースが広いため、自作パソコンの組み立てがやりやすく初心者の方にもおすすめですよ。拡張スロットが7個あり、冷却面積も大きいためゲーミングやクリエイティブ用途に適しています。
参考)【2025年決定版】マザーボード選びの決定版 - チップセッ

 

MicroATXはATXよりもひとまわりコンパクトな244mm×244mmの正方形サイズで、拡張スロットは4個に減りますが、ある程度の拡張性は確保されているんです。中ぐらいのスペックのゲーミングPCを組む際にもおすすめで、コストパフォーマンスを重視したい場合に選択されます。
Mini-ITXは170mm×170mmという超小型サイズで、拡張スロットは1個のみとなります。リビングPCやノート代替として使いたい場合には最適ですが、組み立ての難易度はやや高めになります。

フォームファクター サイズ 拡張スロット 推奨用途
ATX 305mm×244mm 7個 ゲーミング、クリエイティブ、自作初心者
MicroATX 244mm×244mm 4個 コスパ重視、一部拡張あり
Mini-ITX 170mm×170mm 1個 リビングPC、持ち運び

ゲーム向けチップセットの性能差と選択基準

チップセットは、CPUとSATAやUSBなどのデバイスの間を接続しているチップで、マザーボードの右下あたりのヒートシンクの下に実装されているパーツです。このチップセットによってオーバークロック対応の可否や、使用できるPCI-Expressのレーン数、M.2 SSDの搭載数、USBの数などが異なるんですよ。
参考)Object moved

 

Intelのチップセットには、主に4つのシリーズがあり、性能が高い順にX・Z・H・Bと分かれています。ハイエンドモデルのXや上位モデルのZはポート数が豊富なほか、オーバークロックにも対応しており、ゲームユーザーにとっては大きな魅力です。H、Bシリーズは機能性と価格のバランスを重視したモノが多く、コスパを意識したい方におすすめですよ。
参考)https://www.biccamera.com/bc/i/topics/osusume_motherboard/index.jsp

 

AMDのチップセットは、主に3種類で展開されています。ハイエンドクラスのX、ミドルレンジのB、エントリーモデルのAの順でラインナップされており、Ryzen 9やRyzen 7を使用する場合は、機能性の高いXやBシリーズがおすすめなんです。標準モデルのチップセットと比べると、ハイエンドなチップセットであるほど、より多くのPCIeスロットやUSBポートの追加が可能になります。
ゲームや動画制作用途には、高性能チップセットを選ぶことが重要で、IntelならZシリーズ、AMDならXシリーズなどがおすすめですよ。長時間の負荷に耐えられる安定した電源回路と冷却性能が重要になるため、ATXサイズは拡張性や冷却性に優れており、安定したパフォーマンスを発揮できます。
参考)【2025年版】マザーボードのおすすめ20選。ゲーミング用途…

 

ゲーミングとは言うものの、コストパフォーマンス重視の製品であれば、ベーシックな仕様でも問題ありません。より安価なモデルではメモリスロットが2つのものもありますが、4スロット搭載しているモデルを選ぶと、ゲーミングPCも大容量のメモリを必要とするようになってきているため、段階的なアップグレードや小容量モジュールの4本挿しといった手法が可能になりますよ。
参考)コスパ重視でもゲーミング向け機能はしっかり押さえたASRoc…

 

インテル公式 ゲーム向けマザーボードの選び方では、チップセット選択の詳細な指針が提供されています。

一連のチップ構成によるメモリ性能とゲームへの影響

メモリのチップ構成は、ゲームのフレームレート(fps)に意外と大きな影響を与える要素なんです。メモリのランク(Single Rank・Dual Rank)とは、メモリチップのグループ化方式を指し、Single Rankはメモリチップが片側にのみ搭載されている(1グループ)構成を指します。
参考)メモリのランク(Single Rank・Dual Rank・…

 

実際のベンチマークデータによると、Dual RankのメモリはSingle Rankに比べてfpsが約8~11%向上することが分かっているんですよ。特に、CPU負荷が高いオープンワールドゲームやFPSゲームでは、Dual Rankの恩恵を受けやすいんです。

ゲームタイトル Single Rank Dual Rank
Cyberpunk 2077(1440p, RT ON) 72 FPS 80 FPS +11.1%
Apex Legends(1080p, 高設定) 225 FPS 245 FPS +8.9%
Hogwarts Legacy(1440p, 高設定) 78 FPS 86 FPS +10.3%

Dual RankがSingle Rankよりも高速なのは、「バンク交互アクセス」が可能だからです。メモリは「バンク(Bank)」と呼ばれる小さなメモリ単位にデータを分割して保存していて、Dual Rankでは2つのメモリグループを交互に使用できるため、スムーズなデータ転送が可能になります。一方、Single Rankは1つのバンクしかないため、一定時間ごとに待機時間が発生しやすくなり、転送効率が落ちるんですよ。
メモリのデュアルチャネル構成も重要で、2枚のメモリを同時に動作させることで、CPUとメモリのデータ転送が並列処理され、結果として速度が向上します。特にゲームや画像処理ソフトでは、ロード時間や動作の滑らかさに差が出ることもあるんです。同じ容量でも、8GB×2枚構成の方が16GB×1枚構成よりもデュアルチャネルによる恩恵を受けられます。
参考)メモリを選択する場合、16GB×1枚と8GB×2枚ではどうい…

 

AMD Ryzen環境では、メモリ周波数がエンコードや3Dゲームを含めた総合的なパフォーマンスに大きく影響することが知られています。Infinity FabricというCPU内外のコンポーネントを相互接続するインターコネクトの動作周波数がメモリ周波数に同期するという構造上、メモリの選択がより重要になるんですよ。
参考)【できる!メモリOC】 OCメモリの選び方から設定まで完全解…

 

フォームファクターとメモリ規格の互換性

メモリのフォームファクターには、デスクトップPC用の「DIMM」とノートPC用の「SO-DIMM」という2種類の主要な形状があります。DIMMは「Long-DIMM」と記載されることもありますが、「SO」とつかないものは基本的にデスクトップPC向けなんです。
SO-DIMMはノートPC向けに設計された小型メモリモジュールで、「SODIMM」や「S.O.DIMM」と表記されることもありますが、これらは同じものを指します。DIMMとSO-DIMMは物理的にサイズが異なるため、当然ながら互換性は存在しません。メモリ規格同様、メモリとシステムの対応フォームファクターは必ず一致させる必要があることを覚えておきましょう。
タスクマネージャーで「フォームファクター」が「一連のチップ」と表示されている場合、これはメモリチップの配列構成を示しているんです。ノートPCの場合、通常はSO-DIMMが使用されますが、増設を検討する際は必ず使用中のメモリと同じ規格を選ぶ必要があります。
参考)Reddit - The heart of the inte…

 

U.2やM.2 SSDなどの新しいフォーム・ファクターは、不揮発性メモリー・エクスプレス(NVMe)と呼ばれるインターフェース・プロトコルを使用しており、毎秒3000メガバイトを超える読み取り速度で、データ転送速度の高速化を可能にしています。遅延が短縮されるため、このタイプのSSDはゲームプレイヤーやプレイステーションに最適なんですよ。
参考)SSDとは

 

IBM公式 SSDとはでは、ストレージのフォームファクターと性能の関係が詳しく解説されています。

ゲーム性能を最大化するパーツ構成の実例

実際にゲーミングPCを構成する際、フォームファクターとチップセット、メモリ構成を適切に組み合わせることで、最適なパフォーマンスを引き出せるんです。例えば、「リビングに小型PCを置きたいが、4K動画編集もしたい」という場合はMini-ITXを選択し、ASUS ROG STRIX B760-IやASRock Z790 Phantom Gaming-ITXなどの推奨モデルを検討します。
「GPUを2枚、NVMe SSDを3枚使いたい」という拡張性重視の場合は、ATX必須となり、MSI MAG Z790 ACEやASUS TUF Gaming X670E-Plusなどの推奨モデルが適しています。このような場合、ヒートシンク付きM.2スロットとフロントUSB3.2の有無を確認することが重要ですよ。
2024年最新のゲーミングPCスペックでは、CPUのコア数とクロック速度のバランスが性能を左右する重要な要素として注目されています。多くのゲームがマルチスレッドの処理を活用しているため、ゲームプレイ時のスムーズな体験のためには、適切なコア数を備えたCPUを選ぶことが肝心なんです。AAAタイトルを快適に動かすには、少なくとも8コア以上のCPUが推奨されています。
参考)ゲーミングPCトレンド2025 最高の1台を選ぶポイント

 

一般的なPCゲームならば「32GB(16GB×2枚)かつDual Rank ×2」が適しており、Quad Rank ×2の64GB構成までいくとクリエイター向けなので、オーバースペックかもしれません。メモリを複数枚搭載して転送速度アップを狙う場合、2枚以上のメモリを一組として同期させることで、1枚が持つ転送速度よりも向上させる技術があり、2枚同時搭載ならデュアルチャンネル、3枚ならトリプルチャンネルと呼ばれます。
参考)デュアルチャンネル、トリプルチャンネル解説【パソコン購入術】

 

コストパフォーマンス重視でもゲーミング向け機能はしっかり押さえたASRock B550M Phantom Gaming 4のような製品もあり、実売価格1万2000円前後でありながら、フォームファクターはMicroATX、チップセットはAMD B550を採用し、メモリースロットはDDR4×4(最大128GB)を備えています。グラフィックスカード用にPCI Express 4.0 x16スロットが利用できる点は、ゲーミングPCとして重要なポイントなんですよ。
【2025年版】自作PC用マザーボードおすすめ5選と選び方では、最新のマザーボード選択の詳細な情報が提供されています。

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