

「ルーター」と「無線LAN」を同じものとして扱うと、買い替えや設定で高確率で迷います。結論から言うと、ルーターは“ネットワーク同士をつなぐ役割を持つ機器”、無線LANは“ケーブルなし(無線)でLANを作る方式”です。つまり、役割(ルーティング)と手段(無線)を混同している状態が、言葉のズレの正体です。
もう一段だけ具体化します。一般家庭の構成では「ONU(回線終端装置)+無線LANルーター」が多く、無線LANルーターは“Wi-Fiを飛ばす機能(アクセスポイント)”と“通信ルートの整理(ルーター機能)”が一体になった機器です。アクセスポイント単体は“Wi-Fiで端末をつなぐ”ことはできても、それだけでインターネットへは出られない、という整理が重要です。
この「一体型が多い」状況が、さらに混乱を生みます。店頭やネットでは「Wi-Fiルーター」と呼ばれますが、厳密には「無線LANルーター(ルーター+アクセスポイント)」のことを指しているケースがほとんどです。名称の揺れが多いので、買うときは“ルーター機能があるか(WAN側に出る機能があるか)”を確認すると迷いが激減します。
参考:ルーターとWi-Fi(規格)の違いの整理、IPアドレスを扱う説明の参考
https://nttdocomo-ssw.com/nssw/dhkr/ouchinetpress/communication/article278/
設定トラブルで一番多いのは、「ルーターが2台になっている(いわゆる二重ルーター)」のに気づかないパターンです。たとえば、回線業者のONUにルーター機能が入っているのに、さらに市販の無線LANルーターも“ルーターモード”で動かしてしまうと、ネットワークの出口が二つできて経路が不安定になります。症状としては、オンライン会議が途切れる、ゲームでNATタイプが厳しくなる、ポート開放がうまくいかない、社内VPNが不安定などが出がちです。
対策はシンプルで、「ルーター役は1台にする」ことです。具体的には、ONU側がルーターなら市販機は“アクセスポイント(ブリッジ)モード”へ、逆に市販機をルーターにしたいならONU側を“ブリッジ(ルーター機能OFF)”にできるか確認します(機種・契約で固定の場合もあります)。この整理ができると、Wi-Fiの電波強度の問題と、ルーティングの問題を切り分けできるようになります。
設定で見落としやすい点として、「SSIDが複数出ていて、端末が勝手に弱いほうへつながる」問題もあります。2.4GHzと5GHzでSSIDを分けている場合、端末側が過去に接続したSSIDへ粘ることがあり、近距離でも2.4GHzに張り付いて遅い、という現象が起きます。自宅で“特定の部屋だけ遅い”とき、まずSSIDと周波数帯の実際の接続先を確認すると、原因究明が早くなります。
参考:アクセスポイントとルーターの違い(「Wi-Fiを飛ばす」+「通信ルート整理」の説明)の参考
https://www.nuro.jp/article/accesspoint-router/
速度でよくある誤解は、「回線が1Gbpsなら、Wi-Fiでも常に1Gbps出るはず」という期待です。実際には、Wi-Fiは規格(IEEE 802.11 / Wi-Fi 6など)と電波状況の影響を強く受け、さらに“最大通信速度”は理論値(ベストエフォート)として表示されることが多いので、体感は下がります。購入前は「最大値」ではなく、「家の構造・接続台数・利用用途」に合わせて現実的なラインを見たほうが失敗しにくいです。
規格の観点では、Wi-Fi 6(802.11ax)は混雑に強い設計(多台数接続での効率改善)なので、スマホ・PC・テレビ・ゲーム機・家電が同時にぶら下がる家庭でメリットが出やすいです。さらにWi-Fi 6E/7は6GHz帯も使える機種がありますが、端末側も対応していないと恩恵が出ない点が落とし穴です。買い替え前に「使う端末が何に対応しているか」を把握しておくと、コスパの判断がしやすくなります。
もう一つ、意外に効くのが「接続可能な台数」と「処理能力」です。ルーターは小型PCに近く、端末が増えるほど管理する通信も増えるため、余裕がない機種だと夜間に遅くなることがあります。記事や広告では速度ばかり目立ちますが、実運用では“同時接続に余裕があるか”のほうが満足度に直結しやすいです。
2.4GHzと5GHzの違いは、ひと言で言えば「届きやすさ(2.4GHz)」と「混雑しにくさ・速さ(5GHz)」のトレードオフです。2.4GHzは壁や床などの障害物に比較的強く遠くまで届きやすい一方、家電や周辺の電波と干渉しやすく、混雑すると遅くなりやすい傾向があります。5GHzは干渉が少なく安定しやすい反面、障害物に弱く、部屋をまたぐと急に速度が落ちることがあります。
この違いを理解すると、置き場所の考え方が変わります。たとえば「ルーターの場所は配線の都合で玄関付近」だと、5GHzはリビングでは速いのに寝室で弱い、という状況が起こりがちです。その場合、5GHzを寝室で使いたいのか、2.4GHzで届けばよいのか、あるいは中継器やメッシュで面としてカバーすべきか、判断軸ができます。
また、端末がどちらにつながっているかは、トラブルシュートの最短ルートです。「速度が遅い」と感じたら、まず端末が2.4GHzに落ちていないか、距離と壁の条件が変わっていないかを確認します。特にテレワークや配信など“瞬断が致命傷”の用途では、速度よりも安定(5GHz優先、ただし届く範囲内)が重要になるケースが多いです。
検索上位で語られやすいのは「ルーター=インターネットにつなぐ」「無線LAN=Wi-Fi」という説明ですが、もう一歩踏み込むと“IPアドレスの扱い”が違いの核心です。ルーターは、家庭内の端末にIPアドレスを割り当て、外側(インターネット側)のIPアドレスへ変換して通信を成立させる役割を持ちます。これがあるから、プロバイダ契約で基本的にIPアドレスが1つでも、家の中でスマホ・PC・ゲーム機を同時に使えます。
ここが腑に落ちると、「アクセスポイントだけだとネットが出ない」の意味が理解しやすくなります。アクセスポイントは“無線の入口”を作るだけで、外への出口(ルーターの機能)がないため、閉じたネットワークは作れてもインターネットへは出られません。逆に言えば、会社や店舗でアクセスポイントを増やしても、出口となるルーター回線が細いままだと全体は速くならない、という設計上の限界も見えるようになります。
この視点は、ITに興味がある人ほど面白いポイントです。通信が不安定なとき「電波が弱いのか」「出口が詰まっているのか」「アドレス配布や変換が二重になっているのか」を切り分けできるようになると、買い替えや設定変更の打ち手が的確になります。たとえば、Wi-Fi強度は十分なのにVPNだけ不安定なら、電波より“ルーターの役割やモード”に原因がある可能性が上がります。
参考:ルーターが複数端末をつなぐためにIPアドレスを扱う説明の参考
https://nttdocomo-ssw.com/nssw/dhkr/ouchinetpress/communication/article278/

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